ゆるのび読書日記

読んだ本や日々のことを書いています

【音楽×スパイ】ラブカは静かに弓を持つ/安壇美緒【感想】

こんにちは、広茂実理です。

今回紹介させていただきたいのは、ラストまでドキドキしながら一気に読み終えてしまった作品です。

 

◆作品について◆

書名:ラブカは静かに弓を持つ/集英社

著者:安壇美緒

頁数:312ページ

ジャンル:音楽×スパイ

 

 

~こちらは音楽やスパイもの、法律方面のジャンルが好きな方にもおすすめしたい1冊です~

 

◆あらすじ◆

チェロを習う少年、橘樹は、ある日思いがけない事件に遭遇する。以来、彼は暗い悪夢に襲われながら生きていた。

社会人となり音楽の著作権を管理する仕事に就いた橘は、上司から音楽教室への潜入調査を命じられる。

それは著作権法の演奏権侵害の証拠を集め、音楽教室との裁判に備えるためだった。

身分を偽り指示された音楽教室に通い始め、再びチェロを手にした橘を待っていたのは……。

 

【感想】

法律というと堅苦しいイメージですが、わかりやすく描写されていて、サラッと読むことができました。

実際にあった事件を題材にしていたり、私自身が子ども時代に音楽教室に通っていたので、個人的には興味深い作品として読めました。

スパイものというと、どこか外国の風景を思い描いてしまいますが、こんなにも身近な、想像しやすい世界観で表現されているのは面白かったです。

替えがきくもの、きかないもの。そういった対比のある作品だと感じました。

 

〇まとめ〇

堅苦しい題材ゆえか、全体的にライトな仕上がりの作品だと感じました。

つい応援したくなる不器用な主人公の人の良さが滲み出た作品です。

是非、興味を持たれた方はお手に取ってみられてはいかがでしょうか。

 

最後までお読みくださり、ありがとうございます!

 

【文芸】かがみの孤城/辻村深月【感想】

こんにちは、広茂実理です。

今回紹介させていただきたいのは、読めば考えずにはいられなくなる救いの物語です。

 

◆作品について◆

書名:かがみの孤城/ポプラ社

著者:辻村深月

頁数:558ページ

ジャンル:文芸

 

 

~こちらは青春ものが好きな人や、ミステリージャンルが好きな方にもおすすめしたい1冊です~

 

◆あらすじ◆

不登校の少女、こころの部屋で、ある日突然鏡が光り始める。その鏡を潜り抜けると、お城が目の前にそびえていた。
鏡の向こうの世界で出会ったのは、こころと似た境遇の子供たち。
集められた7人の中学生。9時から17時までの時間厳守の謎の城。
胸に秘めた願いを叶えるため、7人は隠された鍵を探す。

 

【感想】

読み始めると、学生時代の記憶が蘇りました。どんどんと主人公の境遇と私の過去を重ねていき、とても苦しくなりました。

それほどに著者は子どもと大人の両目線の心理描写を丁寧に描いているのだと感じました。

大人になった今と、子どもだった過去。どちらもを励まし、救ってくれた作品。読み終わった時の嬉しさと驚きと感動は、忘れがたいものでした。

ミステリーパートも秀逸で、一気読み必至の1冊です。

 

〇まとめ〇

孤城の秘密や怒涛のラストパートは特に目が離せない、つい一気読みしてしまう1冊です。

子ども大人関係なく、生きづらさを感じている人に是非読んでもらいたい作品です。

是非、興味を持たれた方はお手に取ってみられてはいかがでしょうか。

 

最後までお読みくださり、ありがとうございます!

 

【文芸】ライオンのおやつ/小川糸【感想】

こんにちは、広茂実理です。

今回紹介させていただきたいのは、優しくて温かい、涙なしでは読むことのできない一冊です。

 

◆作品について◆

書名:ライオンのおやつ/ポプラ社

著者:小川糸

頁数:255ページ

ジャンル:文芸

 

 

~こちらは生き方や生死について迷っている人、心理方面のジャンルが好きな方にもおすすめしたい1冊です~

 

◆あらすじ◆

若くして癌に蝕まれ、医師から余命を告げられた主人公が、残りの日々を瀬戸内の島にある「ライオンの家」というホスピスで過ごすことを決める。

そこでは毎週日曜日、入居者が思い出のおやつをリクエストできる「おやつの時間」が設けられていた。

死ぬとはどういうことなのか、様々な思いに向き合いながら最後の迎え方を模索していく彼女がリクエストした「おやつ」とは……。

 

【感想】

事前情報なしに読み始めて、これが終末期を軸にしたストーリーであるとすぐに気付きました。

個人的には内容に感情が引っ張られるタイプなので、引きずってしまったらどうしようかと戸惑いましたが、まったくの杞憂でした。

それほどに優しく、温かく、寂しいも確かにあるけれど、怖くないよと教えてくれる物語でした。

日々の当たり前は有り難いことだと伝えてくれる素敵なお話です。

 

〇まとめ〇

健康な方、療養中の方、どんな方にも読んでほしいとオススメできる、気付きの物語です。

最後まで読むと優しい感動に包まれる一冊。出会えて良かったと思える作品でした。

是非、興味を持たれた方はお手に取ってみられてはいかがでしょうか。

 

最後までお読みくださり、ありがとうございます!

 

【ミステリー】デリバリールーム/西尾維新【感想】

こんにちは、広茂実理です。

今回紹介させていただきたいのは、始まりから魅せられて一気読みしてしまった一冊です。

 

◆作品について◆

書名:デリバリールーム/講談社

著者:西尾維新

頁数:400ページ

ジャンル:ミステリー

 

 

~こちらはエンタメや、頭脳戦が好きな方にもおすすめしたい1冊です~

 

◆あらすじ◆

妊娠している中学生の主人公、儘宮宮子のもとに届いた一通の手紙。それはデリバリールーム入室の招待状だった。

参加費は50万円。幸せで安全な出産と、愛する我が子の輝かしい未来を獲得する未曽有のチャンスを進呈と書かれている。

宮子は戸惑いつつも、お金を手に入れて会場へ向かう。そこにはそれぞれの事情を抱えた妊婦たちが集っていた。

デスゲームが行われるという噂は本当なのか。詐欺ではないのか。幸せな出産を求めて争う新感覚エンタメ。

 

【感想】

最初から驚きと気になる謎の連続で、一気に読み上げてしまいました。

主人公はもちろん、個性豊かなキャラクターたちと、謎の多いデリバリールームに魅せられ、あれよあれよとページを捲っていきながらも、次々と明かされる事実に考えさせられるものがありました。

インパクトが強すぎて、賛否両論が闊歩しそうな内容でしたが、個人的には楽しめました。

言葉遊びたっぷりの、著者ならではの世界観を感じられます。

 

〇まとめ〇

中学生の妊婦という強烈ワードから始まる作品は、更に強烈なインパクトを伴って展開されていきます。

頭脳戦はもちろん、こんなにも妊娠にまつわるワードが飛び交う小説は見たことがありません。

言葉遊びと優しさの詰まった作品に、主人公を好きになる方も多いのでは?

是非、興味を持たれた方はお手に取ってみられてはいかがでしょうか。

 

最後までお読みくださり、ありがとうございます!

 

【ミステリー】名探偵の掟/東野圭吾【感想】

こんにちは、広茂実理です。

今回紹介させていただきたいのは、読みながら「えっ?」となった作品です。

 

◆作品について◆

書名:名探偵の掟/講談社

著者:東野圭吾

頁数:307ページ

ジャンル:ミステリー

 

 

~こちらは短編集やちょっと変わったミステリーを読みたいという方におすすめしたい1冊です~

 

◆あらすじ◆

完全密室、時刻表トリック、フーダニット、ハウダニットなどの12の難事件に挑む名探偵と脇役警部の短編集。

数々の難事件を解いてきた名探偵が辿り着いた「ミステリ界の謎」とはいったい何なのか。

本格推理にある「お約束」をぶった斬る、ユーモアたっぷりのミステリー。

 

【感想】

帯に「お約束」を破ったと書いてあり、推理小説にあるお約束を破るとは、と興味を持ったのが出会いでした。

小説の世界、それもシリーズものだと理解している登場人物たちも面白く、著者ならではのどんでん返しもあり、ユーモアたっぷりで楽しめる作品です。

中にはとんでもないトリックも描かれており、推理しながら読むという楽しみ方は出来ません。

読者目線に立ってセリフを調節するキャラクターたちのコミカルさに、あっという間に読了してしまいました。

 

〇まとめ〇

こんなこと書いていいのかとさえ思ってしまう内容ですが、だからこそ面白いのかもしれません。

虚構世界の中で見え隠れするリアリティに、クスッとなりながら軽く読めてしまいます。

「お約束」を知っている推理小説好きな方も、知らない方も楽しめる1冊でした。

是非、興味を持たれた方はお手に取ってみられてはいかがでしょうか。

 

最後までお読みくださり、ありがとうございます!

 

【ミステリー】ヴェールドマン仮説/西尾維新【感想】

こんにちは、広茂実理です。

今回紹介させていただきたいのは、読了後に思わず「やられた」と口から出てしまった1冊です。

 

◆作品について◆

書名:ヴェールドマン仮説/講談社

著者:西尾維新

頁数:274ページ

ジャンル:ミステリー

 

 

~こちらはエンタメやミステリー、どんでん返しが好きな方におすすめしたい1冊です~

 

◆あらすじ◆

祖父母、父母、兄弟姉妹が探偵や事件捜査に関わる優秀な家族という、ハウスキーパーの主人公視点で展開される物語。

控えめな青年、真雲はある日強烈な「首吊り死体」を発見し、奇妙な連続殺人事件を追うことになる。

被疑者は怪人ヴェールドマン。布に異様な執着を示す犯罪スタイルからそう呼ばれている。

 

【感想】

真雲が家族の知恵を借りながら対話と行動力で事件のピースを集めていく様は、どこか親近感のもてる普通の人という印象がありました。彼と一緒に推理しながら読み進めていけたのも楽しめた要因の一つですね。

キャラクターが多いにも関わらず、一人一人の個性が際立っていて、よくある「誰だっけ」がありませんでした。

ラストのどんでん返しは予想外も外で、思わず「やられた」と言ってしまう程。是非続きが読みたいです。

 

〇まとめ〇

著者の記念すべき100冊目の作品ということで、今までのシリーズ作品ではなく新作を書いたのが本作だそうです。

エンタメ色の強い個性豊かな登場人物に、独特のテンポの良い言葉遊びは今作も健在でした。

著者の作品を読んだことがない方にもおすすめです。

 

 

是非、興味を持たれた方はお手に取ってみられてはいかがでしょうか。

 

最後までお読みくださり、ありがとうございます!

 

【純文学】人間失格/太宰治【感想】

こんにちは、広茂実理です。

今回紹介させていただきたいのは、ラノベばかり読んでいた私が純文学の魅力を知るきっかけとなった1冊です。

 

◆作品について◆

書名:人間失格

著者:太宰治

ジャンル:純文学

 

 

~こちらは飾らない文章表現が好きな方におすすめしたい1冊です~

 

◆あらすじ◆

「私」はその男の写真を三葉、見たことがあるーーこの一文から始まる物語は、『その男』である主人公が記した「三つの手記」と、その手記を入手した人物の「はしがき」と「あとがき」で構成されています。

物語のメインである手記は、書き手である葉蔵が自身の人生を振り返る形で描かれており、人間の弱さが飾ることなく表現されています。

自分は異質であり、人に悟られないよう「道化」を演じる葉蔵。成長していくにつれ、様々な「遊び」を覚えていきます。

 

【感想】

始まりの一文から一気に物語の世界観に惹き込まれました。導入として見事な表現だと感動したものです。

中編小説という理由だけではない重みのためサラッと読めるものではありませんが、格好をつけずに表現された本作は共感を得やすいのではないかと感じました。

噂通りに暗いので、読んだ後も感情が少し引きずられてしまいましたが、文学としての面白さは流石ながらに抜群です。

 

〇まとめ〇

「文豪の作品」、「純文学」など、『難しそう』と敬遠する方もいるかもしれませんが(管理人がそうでした)、悩みもがいている姿は時代を超えて共感できるストーリーかと思います。

多くの人が「タイトルは知っている」作品。

是非、興味を持たれた方はお手に取ってみられてはいかがでしょうか。

 

最後までお読みくださり、ありがとうございます!